性被害後に妊娠に至った子どもたちが向き合わなければならない「いのちの選択」に対して真摯に向き合い、いのちが宿るということ、そして離れる(逝く)ということを分かりやすく絵本として製作しました。 今後、自分を大切に生きていくことや、被害を受けないための心の教育に、この絵本を活用していただければ幸いです。(「はじめに」より)
本書は一般社団法人 日本フォレンジックヒューマンケアセンター(以下、NFHCC)が、2021年に作成しました。 NFHCCは、性暴力被害者のための病院拠点型ワンストップ支援センターとして2016年に開設された「性暴力救援センター日赤なごや なごみ」の活動と共に、さまざまな性暴力被害者に寄り添い、司法行政医療との連携・生活支援の紹介やカウンセリング、長く続くトラウマケアに至る活動を行なってきました。 この絵本を、物語のように語りかけるように、そのいのちの行方も知っていただくために、子どもだけでは無く、是非その家族や友人、教育関係者や医療従事者の方にも読んでいただけたら幸いです。
●教育関係者の方へ 小学生高学年、中高生への性教育に。読み聞かせが出来にくい状況であれば、図書館においていただくことをお勧めします。
●医療関係者の方へ 背景を十分に聞き取り、今後どうしていくかの自己決定支援をしなければなりません。いのちを尊ぶ思いは、大人より純粋で頑固なときがあります。そんなとき、この本をそっとベッドのそばに置いてくださることを願います。
●望まぬ妊娠をしてしまった子どもの家族の方へ 本人の苦しみに共感できる家族がいたならば、その後の人生は変わってきます。そのときにかけてくれた一言は、とても影響力があることを知っておいていただきたいと思います。
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