
はてしない疑問と、つきぬ発見の宝庫『アルマス』。トゲだらけのイバラが生い茂るその荒れ地は、しかし、昆虫たちにはまさに天国! さまざまな昆虫が、自然のままの姿で生き生きと暮らすアルマスは、かのファーブルにとってももちろん、天国のような場所でした。
虫好きの、虫好きによる、虫好きのための本! ファーブルを愛してやまない著者らによる、昆虫記の名場面セレクション第2弾です。 ファーブル邸の庭園アルマスを舞台に、彼の太陽のように輝く好奇心の眼に映った昆虫たちの小さな世界を、やさしく語りかけるような文章でみずみずしく描いています。
ミンミン鳴いてるセミの背後で、大砲を発射!? 死んだはずのモグラが動き出し、再び土の中へもぐっていった!? どんな虫も一撃の猛毒! サソリVSサソリ、戦いの行方は?
第2弾となる今回も、アイデア光る実験と発見、そして昆虫たちの不思議な生態の数々に、おどろかされっぱなしです。 登場する昆虫は、ウンチを運ぶ神の虫『スカラベ』。メスの成虫が意外すぎる姿をしている『ミノガ』。死んだふり(?)をする虫『オオヒョウタンゴミムシ』など、まだまだたくさん!
著者はNPO日本アンリ・ファーブル会理事長であり、ファーブル昆虫館「虫の詩人の館」館長も務める奥本大三郎さん。そして、自然と人との関わりを写真におさめつづけてきた写真家であり、切り絵作家としても活躍している今村光彦さん。 今村さんの切り絵によって、虫が苦手という人でも楽しめるようになっているのも本書のポイント! 虫たちのシルエットは写実的ではあるものの、切り絵であることによって怖さを感じにくくなっています。
「科学というのは、物事に対して「なぜ」を永遠に問いつづける対話なんだ」
まるでファーブルと隣り合って昆虫を観察しているような読み心地で、昆虫記をまだ読んだことがないという人にはもちろん、そうでない人にもあらたな発見があるはず! 100年以上経っても魅力のあせない、ファーブル昆虫記の入門としても最適です。
(堀井拓馬 小説家)

『ファーブル昆虫記』は、出版されて100年以上たった今でも、世界中の虫好きの人たちから愛されている名著です。子どもの頃からこの本に魅せられ、ファーブルの生家や、実際に虫を観察した土地までたずねた2人の著者が、全10巻の中から選んだ名場面を、迫力のある切り絵と親しみやすい文章で紹介します。巻末では、登場する昆虫とファーブルが愛した楽園「アルマス」を解説。 「梨玉のひみつ・スカラベ」「地下室の働き者・モンシデムシ」「神にいのる虫・カマキリ」「結婚のダンス・ラングドックサソリ」「持ち運べる巣・ミノムシ」「夏のオーケストラ・セミ」「ヴァントゥー山の頂上・アポロチョウ」「人間と虫のちがい・オオヒョウタンゴミムシ」など16の名場面を紹介した絶好の入門書。
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