いつの時代も家族円満は難しい? 人情時代小説の名手が描く江戸の離婚模様
夫婦となって5年。 定職にもつかずに浮気と借金を繰り返す亭主に絶望した絵乃は、 身ひとつで家を飛び出し、離縁の調停を得意とする公事宿「狸穴屋」に流れ着く。 夫との離縁を望むも依頼できるだけの金を持たない彼女は、 女将の機転で狸穴屋の手代として働くことに。 果たして絵野は個性豊かな狸穴屋の面々とともに 一筋縄ではいかない依頼を解決しながら 念願の自身の離縁を果たすことができるのか?
【狸穴屋に持ち込まれた依頼の一部】 「二三四の諍い」……狸穴屋にやってきたのはまだ10代の兄妹、彼らの望みは両親を離縁させることだった。 「双方離縁」……嫁と母の仲が悪い。家格も絡んでなおややこしい、武士を悩ませる江戸の嫁姑問題。 「錦蔦」……才能ある息子を引き取るのはどっち? 職人の家のあいだで起きた大岡裁きの結末。
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