離島の子どもたちが地元の公立高校で甲子園を目指し、 地方大会でまさかの快進撃を続けて夢をかなえる??。 私立強豪校が全盛の高校野球でミラクルが現実に起きた。
奄美大島で生まれ育った野球少年・大野稼頭央は、 中学卒業を機に島を出て強豪私学に進む予定だった。 ところが、野球仲間の西田心太朗からこう打ち明けられる。 「大島高校で稼頭央とバッテリーを組みたい」
すべてはこの一言から始まった。
島に残る決断をした2人は本気で甲子園を目指す。 そして、2人につられるように目の色が変わったキャプテン、 野球に関心はなかった島外出身者など個性豊かな部員たちが 鹿児島県大会を勝ち続け、センバツ出場という奇跡を起こす。
だが、甲子園は初戦敗退。春夏連続出場を目指すものの、 部員たちのエゴがぶつかりチームは空中分解寸前に。 ドン底の状態で迎えた最後の夏、崖っぷちでチームは団結し、 ついに鹿児島大会決勝までたどり着いた。 相手は甲子園常連の最強王者・鹿児島実業。 そこで待っていた衝撃のラストシーンは……。
選手たちと島民が繰り広げた熱狂の3年間を 緻密な取材をもとに描く直球青春ノンフィクション。
【著者略歴】 菊地高弘(きくち・たかひろ)1982年生まれ。 専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て独立。 プロ・アマ野球を網羅した取材力には定評があり、 『野球部あるある』(集英社/全3巻)、 『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)、 『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 〜野球留学生ものがたり〜』(インプレス)など著書多数。
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