「顕密」から「顕密・禅」へ。中世前期以来の顕密体制は、十四世紀の禅宗の台頭により、どのように変化したのか。中世仏教の体制が再編されるなかで禅宗はいかなる役割を果たしたのか。「室町仏教」の実態を解明する待望の書。 [目次] 序 章
T 女人と禅宗 第一章 女人と禅宗 第二章 渡来僧・五山僧と女人の求法
U 五山禅宗の成立と展開 第三章 中世仏教再編期としての十四世紀 第四章 仏教と太平記 第五章 春屋妙葩と夢窓派の展開 第六章 中世五山僧の進退・成敗・蜂起 第七章 五山禅僧の「文官」的性格
V 禅宗の仏事法会と社会 第八章 中世の禅宗と葬送儀礼 第九章 五山禅林の仏事法会と中世社会 ―鎮魂・施餓鬼・祈祷を中心に―
W 禅林伽藍と都市景観 第十章 中世の嵯峨と天龍寺 第十一章 京都五山禅林の景観と機能
結 論 第十二章 室町仏教と芸能・談義
初出一覧 あとがき 索 引
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