
最後の国立図書館長であった加藤宗厚氏は,終戦後の「図書館法」草案と『学校図書館の手引』作成にも貢献し,「図書館奉仕」の概念を図書館理念の根柢に据えることで,日本の公共図書館サービスの水準を上げることにも尽力しました。竹内セ氏は恩師である加藤氏の業績を今一度たどり,その貢献の大きさと,教育者としての深い洞察力に感銘し,今この時代にその功績を広く知らせたいと,原稿(第1部・第2部)をまとめました。残念ながら竹内氏は志半ばにして鬼籍に入られましたが,かねてより原稿を目にしてきた編者の二人がその遺志を受け継ぎ,本書がまとめられました。 加藤氏の「お仕事」を通じて,戦後日本の図書館界の空気がよみがえるとともに,「図書館とはなにか」をあらためて深く考える大きな助けになる一冊です。
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