成田悠輔氏(経済学者・データ科学者)絶賛!
「敵はあなたかもしれない」
来たるべき300年後の社会を実行可能な形で構想した画期的試論、ついに文庫化! 複雑な社会を複雑なままで生きるにはどうすればよいのか――。これが本書の中心にある問いだ。生命の起源から説き起こし、細胞の膜と核の問題が社会制度と地続きであることが、最初に示される。社会の〈なめらかさ〉とは、膜の機能を弱め、諸物が連続的なつながりをなすネットワークへと開いていくことにほかならない。それは、情報技術の支援の下、貨幣・投票・法・軍事というコアシステムの変革によって実現される。近代のメジャーバージョンアップだ。巻末には、原著刊行後に顕在化した問題を俯瞰する新論考を付し、本書の現代性と可能性をあらためて照射する。
歴史的な閉塞感の中に生きる現代人にとって、本書は希望の書でありたいと願っている。
――「はじめに」より
【目次】
はじめに
文庫版によせて
第T部 なめらかな社会
第1章 生命から社会へ
第2章 なめらかな社会
第U部 伝播投資貨幣PICSY
第3章 価値が伝播する貨幣
第4章 PICSYのモデル
第5章 PICSY,その可能性と射程
第V部 分人民主主義Divicracy
第6章 個人民主主義から分人民主主義へ
第7章 伝播委任投票システム
第W部 自然知性
第8章 計算と知性
第9章 パラレルワールドを生きること
第X部 法と軍事
第10章 構成的社会契約論
第11章 敵
終章 生態系としての社会へ
参考文献
あとがき
初出一覧
なめらかな社会への断章2013-2022
文庫版 謝辞
人名索引
事項索引
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