
仲良しのふたり組プータとけんじが住む町には、もうひとつのふたり組がいました。町のみんなは彼らのことを「わるテリア」と「ずるドッグ」と呼んでいます。ふたりはとてもこわい顔をしていて、小さい子どもは逃げだすほど。道の真ん中を歩いてくると、声をかけることもできません。
なるほど、なんだかぴったりな名前みたい。だって、今日だって壁の前でふたりニヤニヤして何かを相談していたし、メモをしながら町をうろうろしているところだって見かけたし。何かたくらんでいるんじゃないかしら。
でもある日、「わるテリア」と「ずるドッグ」が、転んだおばあちゃんを助けているところが目撃されたのです。さらに壁に貼ってあったのは、思わぬ告知のポスターで……!?
謎が深まる展開の先には、あっと驚くふたりの姿が待っています。あきやまただしさんの絵本作家デビュー30周年記念作品は「そうにちがいない」「いや、本当にそうなのだろうか?」をテーマにした絵本。
こわい見た目の人は、中身もこわい。 優しい見た目の人は、中身も優しい。
それって、本当? 登場するのは強面なのに愉快、そんなキャラクター。見た目と中身のギャップは、私たち読者の思いこみ? それともふたりの演出だったりして。思いっきりふりまわされながら、楽しんでくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

なんだか怖い見た目ゆえに、“わるテリアとずるドッグ” と町のみんなに呼ばれている2人組。 誰も声を掛けることができず、本当の名前も知りません。そんな2人の顔を見ると、泣き出す子どもさえいます。
でもある日、2人がおばあさんを助けているところが目撃されて… はたまた、実は誰かを笑わせることが大好きで…
「ほんとうにそうなのだろうか?」をテーマにした、強面なのに愉快なキャラクーが登場する楽しいお話です。
怖い見た目と中身のギャップは2人の演出かも…?? 2人の怖さは天然なのか、それともあざとい演出なのか…。

とてもおもしろい絵本でした。
怖い見た目が災いして、わるテリアとずるドッグというあだ名を付けられてしまった二人組。
でも実際は、とても優しいお笑いコンビでした。
人を見た目で判断してはいけないと言われるけれど、見た目で判断を左右してしまう、弱い私たち。
感心したり反省したりの一冊でした。 (めむたんさん 40代・ママ 男の子21歳)
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