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日本と同じ、ごはんと箸の国。でも、ごはんに組み合わせるのは、酸っぱくさっぱりしたスープと、魚醤のヌックマムで味つけしたおかず。米粉製品、野菜に果物、海や川の魚が豊富な、食欲をそそる暑い国の家庭料理。
北部ハノイに暮らす4人家族の日常の食事風景を中心に、ベトナム全土の食事のあらましを紹介する絵本。巻末に生春巻き、炒め物、スープのレシピ付き。
両親共働きで、小学生くらいの2人の子どもがある家庭。忙しいので外食も盛んだが、家庭でも外食でもたくさんの野菜、バランスのよい健康的な食事が摂れる。お米の加工品も多く、特に麺類の種類が豊富。植民地時代の影響もあり、フランス風のパン食や珈琲の文化もある。ベトナムはコーヒー豆の生産国でもある。
昼は家に帰って食べる、食材の匂いも全部味わいとして楽しむ、日本にはない食材(蛇、蛙、昆虫、南国の野菜・果物など)驚くような違いも多い。年長者に挨拶するなど、食事のマナーもしかりしていて、ベトナム人の美しい所作や素敵さの源が食事にもあることが伺える。
この本は、シンプルだが物事の本質を突いたような素敵な絵が特に印象に残った。現地に行ったような気分になる不思議な魅力が絵から感じられ、画家の素晴らしい力量や観察眼がわかる。 (渡”邉恵’里’さん 40代・その他の方 )
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