ある日、こたろうが見つけたのは道端でしくしく泣いている迷子。白くてふさふさしていて、ふわふわと浮いている。どこの何だか検討もつきません。こたろうは「しろふさちゃん」と呼ぶことにして、いったんおうちに連れて帰ります。
「ちちうえ、ははうえ、このこは いったい なんなのでしょう?」
父にも母にもわかりません。そこでこたろうは、町のみんなに聞いてみることにします。ある人は「ふでやさん」で見たことがあると言い、ある人はまっくらやみの一本道を進んだ「墓場」に住んでいるはずだと言い、ある人は目が回るほど高い山に住んでいる「あの人」のものだと言い……。みんな迷子の力になろうとして、色々と教えてくれるのですが、どれもちがうみたい。最後にたどりついた答えは!?
驚きの展開が待っている「しろふさちゃん」の正体。時代物の舞台を得意とする荒戸里也子さんが描き出す物語は、なんと愉快で、なんと愛らしいこと! ページをめくるたびにちょっぴりドキドキし、そのたびにふりまわされる「しろふさちゃん」を心配し、それでも最後にはちゃーんとおうちに帰れます。人々の暮らしを垣間見ることができるのも楽しいばかり。
それにしても。もう二度と迷子にならないようにね、しろふさちゃん。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
こたろうが見つけたのは、しろくてふさふさした迷子。いったいこの子は何なんだろう。みんなに聞きながら、おうちに帰してあげようとしますが……。 こたろうをはじめ、いろんなひとたちが迷子の力になろうとする、あたたかなお話です。迷子の正体は何なのか、ページをめくる楽しさがあります。最後にたどりついた答えにびっくり! 時代物が好評の、荒戸里也子さんの魅力的な世界を楽しめます。
こたろうが見つけた、ふしぎな迷子。一体、このしろくてふさふさしたいきものはなんなのか、こたろうと一緒に探す気持ちでページをめくっていきました。そしてその正体には驚いてしまいました。予想できない展開で、とてもおもしろかったです。当時の様子のわかる絵も興味深く、時代ものとしても楽しめます。 (あんじゅじゅさん 50代・その他の方 )
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