通称『マウロの覚書』Le Memoire de Mahelot 1 は、フランス17世紀の代表 的な劇団であるオテル・ド・ブルゴーニュ座Troupe de l’Hotel de Bourgogne の舞台装置家たちが上演に使用する装置や大道具・小道具を記した手控え 帳ともいうべきものである(以下、本注解では『覚書』とよぶ)。この『覚 書』が書かれた状況はいかなるものだったのか。 まずはその流れを劇団と劇場を中心にたどり、ついでフランス古典主義演 劇の劇作術を特徴付ける「規則」について述べ、『マウロの覚書』の現代的意義について考えてみたい。 その後、『覚書』に収められた目録の作品とメモに注解を施す。
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