絵本をひらくと、そこに森が広がる。思わず、深く息を吸い込む。気持ちがいい。
一歩一歩、森のなかを進んでいく主人公の二人。小川を渡り、霧の中を歩き、緑の香り、風と光、鳥の声、水の音……。ゆっくりと森の奥に進んだ二人はやがて、ある命の神秘に出会う。
森は、二人を優しく包み込み、様々なことを教えてくれる。自然の恵み、生命の神秘、そして成長の喜び。森の中で過ごす時間は、きっと二人にとってかけがえのないものに。
『しずかな みずうみ』『また きっと さこう』など、自然への畏敬と愛しいまなざしにあふれる絵本を描く作者の最新作は、四季折々の森の風景を、細やかに生き生きと表現する。美しい情景描写と温かな言葉は、子どもたちの心に自然への愛と好奇心を育み、子どもたちの成長をそっと見守ります。
大人もまた、忙しい日々の中で忘れかけていた自然とのつながりを取り戻し、自然の中に身を置くことの大切さや、心のやすらぎを感じる。
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