夏の終わりの海水浴場に、捨てられた麦わらぼうしが、波打ちぎわにしょぼんとひとつ。
たこの子どものたこぼうやが、その麦わらぼうしを拾おうとした時、
「くいー くいー くいー。」
という変な音が聞こえてきました。
それはブランコをこぐ音でした。
たこぼうやは、ブランコに乗ってみたくなりました。
たこぼうやの気持ちを、素直に受け止めてあげた男の子の気持ちを思うと、心がぽっと温かくなりました。
素朴な絵、そして、文章の中で使われている比ゆが、とても情感あふれるもので、作者の心の清らかさまで伝わってくるようでした。
夏の終わりの淋しい海岸での素敵な出会いに、子どもたちの素直な成長を祈る思いがしました。 (おしんさん 40代・ママ 男の子23歳、女の子21歳、男の子18歳)
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