『きつねの夕食会』など、安房直子が愛した野山に住む、ものいう動物たちとの交流を描いたファンタジックな作品を収録。
安房直子コレクション3です。
「ねこじゃらしの野原」と「風のローラースケート」という小さな子どもでも読んできかせればわかりやすい内容の作品が収録されています。
「風のローラースケート」も「ねこじゃらしの野原」も短編が集まってできているお話なので一日一話的に読むこともできます。
特に「風のローラースケート」の中の「ふろふき大根のゆうべ」という作品が印象に残りました。
山のいのししが集まって語り合うという催し。
ゆげを見て「悲しいことやいやなことなんか、みんなわすれてしまいます」という表現に驚き、そしてとてもいいなと思いました。
料理のゆげを見て、「いやなこと」を忘れる。日常の家事を大切にしていた安房さんならではの表現であるように思いました。
エッセイも同時に収録されていて「誰のために」というエッセイでは、子どものために童話を書くという決意を「私は今あらためて、自分の道を見つけたような気がしています」と表現していて、その意識の元に数々の童話が生まれていたことが、とても嬉しかったです。
安房直子コレクションをこれですべて読み終えたのですが、読めば読むほど安房さんの作品を好きになり、未収録作品も読んでいきたいという気持ちが募ってくるのを感じています。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子7歳)
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