コロボックルが本気で走れば、人間の目になんか見えるはずはありません。 ところが、ふしぎな目をした男の子タケルには、そのすがたが見えるのです。 コロボックルと友だちになった人間の物語です。──(「ふしぎな目をした男の子」)
コロボックル物語をちゃんと読んでいない私でも、この本はすんなりと心にはいってきました。コロボックルが目に見える人間に私もなりたくなりました。
2話構成になっていて、文字量も絵本に比べると幾分多いですが、コロボックルの魅力にひかれると、子どもでも読みすすめていける本だと思います。
とくに、2話目の「人形のすきな男の子」は、心もっていかれました。
外で遊ぶことが好きで、それでいて、部屋で遊ぶことも好きな男の子が出てきて、その子の体験したことが、読み手の心を痛めるのです。そこに登場するコロボックルの存在。救いの神のような気がして、心底安堵してしまいました。
もっと、コロボックルのお話が読みたくなります。話の内容が人間同士の会話なのに、絵はそれを聞いているコロボックル。この文と絵の関係がなんともいえずひかれますね。 (けいご!さん 30代・ママ 女の子10歳、男の子6歳)
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