表紙に大きく電車の走る絵。裏表紙もやっぱり電車の走る絵。この絵本はやまの駅から出発してうみの駅へ到着するまでの電車の様子を描いたお話です。前から読んでも後ろから読んでも楽しめるのです。それだけでもすぐ電車好きの子の気持ちをあっという間につかんでしまいますよね。
電車は広い雪の積もる景色の中を通り抜けながら、トンネルに入ります。トンネルの中では乗客の様子がはっきり見えます。電車に乗ってから降りるまでのそれぞれの家族の行動を観察できます。 穴あきページのトンネルを抜けると景色が一変。 電車は山を登り、鉄橋を渡り、海辺の丘へ。 あたり一面黄色い菜の花でいっぱいの花畑を抜けて、海の駅に着きました。 「デデンドドン」「デデンゴゴー」「デデドド」 音が微妙に変わっていくのも興味深いですね。 電車に乗る楽しみがぎゅっとつまった傑作乗り物しかけ絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ドデン…ドドン…と電車が山の村を通って行きます。穴あきページのトンネルを抜けると景色が一変。前からも後ろからも読める、楽しい乗り物しかけ絵本。
絵本専門店に行った時に、息子が自分でみつけてはなしませんでした。
それほど、この絵本は息子にとっても魅力的だったようです。
この絵本、前から読むと、「でんしゃでいこう」
後ろから読むと、「でんしゃでかえろう」
両方から読んでも楽しめるんです♪
何より楽しいのが、電車の音。
場所によって少しずつ音が変わるんですよ。
電車の音って普通「がたんごとん」が一般的なんだけれど、
この絵本は「デデンドドン」とか「デデンゴゴー」
などと、微妙に変化していきます。
そういわれてみると、電車は「デデンドドン」と走ってるな〜。
そして景色もとってもきれい。
雪の中を遊ぶ子供たちや、美しい山並み、
海岸の様子や、菜の花畑、
どれもじーっと見入ってしまうほどに細かく描かれています。
もう一つのお楽しみはトンネルの中。
トンネルをくぐると、中の乗客の様子が見えるのですが、
この乗客の様子がトンネルをくぐるたびに、変わっているのです。
さっきまで寝ていた赤ちゃんが、えーんえーんと泣いていたり、
トランプをしている家族の様子や、車掌さんの動きまで、
みんなの様子が見られてとっても楽しい。
これだけで一つの物語ができそうです。
子供ってこういう細かい部分をみつけるのって大好きですよね。
ほんと子供心をくすぐる絵本だな〜って思います。
山の駅から海の駅へ。
こんな素敵な電車のたびをしてみたいな〜。
でもなんだか見たことのあるような、懐かしい風景。
と思ってよく見てみると、なんと山の駅の看板には
「はんだ」の文字が。
著者紹介をみてみたら、間瀬なおたかさんは愛知県出身の方でした。
この絵本の舞台は愛知県だったんですね〜。
きっと間瀬さんもこうやって毎日電車にのって、
ゆっくり景色をながめていたんだろうな、
と思うと、ますます愛着がわいてきました。
しかもね。
よーくみると、絵本の中に「ごんぎつね」らしききつねがいるんですよ♪
ごんぎつねの作者新美南吉も半田市出身ですもんね。 (りらまいりらさん 30代・ママ 男の子2歳)
|