子どもの耳は澄んでいます。 小さな虫の声も、空をわたる風の音も、森のささやきも、みんな聞こえます。 耳を澄ます、というのは、何かに関心があるからです。 大人になると、耳がにごってきます。虫や風や森の声は聞こえなくなって、 ちがうことに関心が向いていきます。人の悪口やお金もうけの話なんかよく聞こえます。
主人公の女の子スーザンに小鳥は話します
あめがあがって おひさまぴかり はっぱがゆれて ちょうちょがさんぽ バラのはな いいにおい リラのはな ぬれている のはらはきんいろ はなばたけ むこうのやままで まぶしいよ
そして男の子の友だちができると、小鳥はこう話します。
ともだちは いいな なかよしは いいな くもも かぜも せせらぎも きも くさも はなも いきものも みんな なかよし ともだちは いいな
みんなで耳を澄ましましょう。大自然の声に耳を澄ませましょう。それは、愛、です。
最近、この「ナンシー・タリフ」さんの絵本にハマっています。
ハッキリした線と、身近な小動物たちの動きがかわいくて、動物たちの1つ1つの動作を見ていると、わたし的に“こういうポーズ、あるある!”
と思えるので、気に入っています。
原書は1982年に出版されているようですが、日本で出版されたのは1991年です。
それほど古すぎる作品ではありませんが、絵本の作り方に時代を感じました。
シャーロット・ゾロトウさんとはよく一緒に作品を作られていますが、作者の文は言葉が全体的にきれいな詩のリズムで語られています。
しかもこの作品には動物たちだけでなく、幼稚園か小学校に入りたてくらいの子どもが登場しますがので、あまり小さいお子さんへの読み聞かせには向いていないようです。
動物が好きな方、自分でも絵を描くのが好きな方などにお勧めします。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子20歳、女の子16歳)
|