世界各地の昔話・民話を渉猟して、33ヵ国50話の猫ばなし。ネコとネズミ、何故イヌと仲が悪いか、魔のネコなど、その可愛らしさ、かしこさ、残酷さが浮かびあがる。
あとがきによると「わが家にも、親子三代、十二匹のかわいい猫一家が、猫の額のような庭の猫小屋にいる」ということで、光吉夏弥さんご自身が大変な猫好きであったようです。
副題が「世界中のネコの昔のばなし」ということで、50話もの猫の昔話が集められています。
猫好きさんは必見かもしれません。
ただ集められているだけではなく種類ごとに分類されているのが読みやすかったです。「ネコはなぜ?」という章では猫に関する由来物が集められていて興味深かったです。
「名高い猫たち」では「長靴をはいた猫」「ディック・ウィティントンと猫」などの有名どころのお話も読めます。
この配慮が読む方としてはとても嬉しかったです。
単に絵本の蒐集家というだけでなく訳・選書と日本の児童文学の先鞭をつけられてきた光吉さんならではの昔話集と思いました。
一日一話的にも読めます。総ルビではないので、息子には読み聞かせをしましたが、毎日のように「『ネコ・猫・ねこ』読んで」と言われました。
私は特に猫好きというわけではなく、光吉さんの訳が好きで昔話が好きなので、楽しめました。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子8歳)
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