扉に描かれた女の子の、遠くを見つめている力強い目からは、彼女の心がひとまわりもふたまわりも大きくなった印象を受けます。
彼女が自分の心のなかに、それまでになかったものを受け入れるときに
わたしが 世界のすべてであった。
わたしが 世界のすべてであった。
のように、二回繰り返されるのですが、私には、これがとてもしつこく感じられました。まるで学校で教科書を読まされているかのように。
それでも、この絵本の彼女のように、子どもたちの心が外へ外へとひろがり、広島の原爆の恐ろしさと平和の大切さを知り、飢えているアフリカの子どもたちや、戦争で苦しんでいる人々のことも考えられるようになってほしいと思います。
しかし、そのように子どもたちの心の成長を願うならば、やはり大人がそのきっかけやしかけを作ってやるべきだと思います。家庭でも学校でも地域でも、子どもたちの心を成長を手助けしていかなければなりません。
この絵本では、お母さんから誉められたことや、特別支援学級の子とバディになったことや、広島への家族旅行や田舎に住むおじいさんが話してくれたことが、彼女にいろいろな「気づき」を与えています。
子どもの心の成長は、大人にかかっています。 (はしのさん 40代・パパ 男の子15歳、女の子13歳)
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