このハンス・クリスチャン・アンデルセンの『人魚姫』は、誰もが知っているお話ですね。
私は、ラズロ・ガルさんの描かれた人魚姫が、あまりにも美しく、繊細でありながら、波しぶきや泡の迫力に惹かれて選ばせて頂きました。
ガル氏は、それぞれ自分の娘と母親をモデルにして、人魚姫とそのお婆様を描かれたそうです。ガル氏のこの作品に寄せる思い入れが伺える作品です。
この1冊は、原作をほとんど省略していない作品ですので、読み応えがあり、一般的に人魚姫は、泡になってしまう事で終わってしまうと思うのですが、この作品では、人魚姫は空気の精となります。
6人の人魚の中で1番可愛らしく、美声を持った人魚姫でしたが、人間の王子に恋をし、家族を捨て、危険を冒し、美声までも代償として魔女に渡してしまいましたね。何度読んでも、悲しいお話です。
残酷ではございますが、最後に人魚姫は王子の愛よりも大切なもの静かな至福さえも感じられるモノを手に入れることになりました。
無償の愛をうたいあげたアンデルセンの不朽の名作を、気鋭の画家ラズロ・ガルが憂いをおびた美しい画面に結晶させています♪
とても素敵な1冊ですので、人魚姫がお好きな方には、是非!お薦めですし、観賞用としても素晴らしい作品だと思われます。 (梨華さん 30代・その他の方 )
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