第2巻はいのちの輝きをとらえた物語10編を収録。石垣りん「表札」、吉野せい「梨花」、 島尾敏雄「島の果て」、長谷川四郎「鶴」、海音寺潮五郎「極楽急行」ほか。
全10巻からなるこのシリーズは2010年に刊行されていますが、
最近までこういった本が出ているのを知りませんでした。
この夏、おそらく子供たちの夏休みに合わせてだろうと思いますが、
このシリーズの広告が新聞に出ていて、興味を持ちました。
日本文学といってもここでは短編が主で、
しかも詩が収められていたりします。
取り上げられている作者も明治の文豪から現代作家まで彩々。
ラインナップをみているだけで読書意欲が高まります。
シリーズ2巻めとなるこの本に載っている作者と作品は以下のとおり。
石垣りん 表札 (これは詩)
有島武郎 碁石を呑だ八っちゃん (懐かしい作者です)
吉野せい 梨花 (作者自身の子供の死を描いています)
森鷗外 山椒大夫 (お話としては知ってますが鷗外の作品として読むのは初めてかも)
島尾敏雄 島の果て (島尾敏雄といえば『死の棘』が有名)
長谷川四郎 鶴 (この巻ではこの中編がよかった)
原民喜 夏の花 (このあまりに有名な原爆小説を読んだのも初めて)
太宰治 魚服記 (太宰の初期の作品。やっぱり巧い)
海音寺潮五郎 極楽急行 (こういう作者まではいっているのがうれしい)
梅崎春生 チョウチンアンコウについて (わずか3ページのエッセイながら絶品)
読書の面白さを堪能あれ。 (夏の雨さん 60代・パパ )
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