突き詰めて考えれば、人間は「死」を食べているとも言えます。動物の「死」を観察することによって、人類の飽食や命の大切さを考えます。
”Animals’ Eyes(アニマルアイズ)”という、
動物の目で環境を見るシリーズ全5巻のうちの2巻目になります。
全国学校図書館協議会選定、学校図書館出版賞受賞。
本のタイトルからして、ちょっとドキッとさせられますよね。
この本では、さまざまな生き物の死がたくさん出てきます。
著者はプロのカメラマン。だから、生き物たちの遺体写真が載っています。
しかも、ただ遺体写真を羅列しているわけではありません。
時間の経過と共に、その遺体がどうなっていくのか観察記録になっていたりします。
そんな写真なんて見たくないですか?気持ち悪いですか?汚いですか?
でも、少し考えてみて下さい。私達が普段食べている食卓には、
さまざまな動物のお肉が並べられていませんか?
そう、私達はさまざまな”動物の死”をおいしそうに食べているのです。
自然界で亡くなった生き物たちは、自然界で生きている生き物たちによって
分解され、腐っていきます。みんな、死を食べています。
死は食べられることで、他の生き物の命に変わっていきます。
死が命を繋いでいるのです。
この本を図書館で見つけた時、正直言って息子に見せて良いか迷いました。
かなりグロい写真もありましたので。
でも男の子だからでしょうか、すごく見たがったんですね。
”死んだらどうなる?”は、子供の頃、誰もが一度は疑問に思うこと。
人間だって死を食べている。動物も死を食べている。
目に見えない小さな生き物も死を食べている。
死を食べているから、自分達は生きているんだよ。
そういうことを説明しながらページを進めたのですが、
息子にとってはとても興味深い話だったようです。
一人でもパラパラめくって何度も本を見返していました。
さまざまな生き物の死が、さまざまな生き物の命を繋いでいること。
子供から大人までハッとさせられる、衝撃的な一冊だと思います。 (どんぐりぼうやさん 30代・ママ 男の子9歳)
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