一人ぼっちで寂しいキリン君、ケンカしていたサルの兄弟、迷子のうさぎ…。心にすきまがあいた動物のところに、空からしっぽが降りてきました。しっぽは、動物たちの心を次々癒していきます。そして動物たちの楽しい笑い声をすいとって、しっぽはまた今日も、幸せをおすそわけしていくのです。
<ここがポイント> ・気持ちが沈んでいるときに読むと、心が癒されます。 ・ぬいぐるみのようなかわいい動物たちがたくさん登場します。 ・ラストシーンで、さらにわくわくする展開があります。
<編集者から> 名木田恵子先生の優しい文章は、読んでいるすべての人に「癒し」を与え、あたたかな気持ちにさせてくれます。こみねゆら先生の描く動物たちは、細やかな表現で、物語に可愛らしさを添えています。自分へのプレゼントにも最適です。
【あらすじ】
誰もいない寒い冬の日、キリン君は一緒に遊ぶ友達もいない。冷たい風に吹かれてくしゃみをした時、空にしっぽがプランと下がっているのを見つける。
不思議なしっぽを引っ張ってみると、どうやら毛糸でできているらしい。リスと一緒にどんどん毛糸を引っ張って、引っ張って…
不思議なしっぽを見つけると楽しくなってしまう生き物たちが、いっぱい。
【感想】
繊細な少女漫画のような世界だと思ったら、作者は「キャンディキャンディ」の漫画の原作者だった。驚きました。
文章が繊細で、言葉の選び方がお洒落。不思議な感じや、可愛らしい感じを応現できる言葉が、まるで宝石のようにちりばめられた作品です。物語、というよりも、詩のような感じ。哲学的な感じもする。読み終わった後、短い作品なのに、上質な心の栄養を頂いた感じがしました。高貴な、上品な感じなのです。
登場するのは動物たちですが、自分たちが寂しい時、悲しい時、喧嘩をしている時などにイメージを重ね合わせやすく、自分のこととして体験しているきがしました。
ひとつひとつの体験や気持ちを、作者が大切に扱っているようで、まるで自分も大切に扱われているような気がしました。
優しい気持ちになれる一冊です。
絵も素晴らしく、文章の世界観とピッタリあっています。壊れやすい美しいものを大事に扱っているような感じが、素敵でした。
心優しい人になりたいものです。 (渡”邉恵’里’さん 30代・その他の方 )
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