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賢治の故郷、岩手(イーハトーヴ)を舞台に、賢治の理想と生涯が色濃く重なってくる作品です。司修先生が大佛次郎賞受賞後の第一作として絵本化しました
有名な宮沢賢治の短編原作を、司修さんが文章を易しく直し、幻想的な絵を添えた作品。
原作は、私が中学生の頃購入した宮沢賢治短編集に所収されていたのですが、
何か緊迫したオーラを感じ、読まずにいたので、
今回今作を読むにあたって、原作を読み、その世界観に圧倒されました。
イーハトーヴの森で、木こりの家で両親と妹と暮らしていたグスコーブドリ少年。
ところが、異常気象で飢饉になり、両親は家出、妹は人さらいにあい、
家も見知らぬ男に乗っ取られた挙句、働かされます。
それから波乱万丈の末、火山局で気候をコントロールする研究をするのです。
飢饉と向き合うグスコーブドリの姿は、宮沢賢治の思いと重なるような気がします。
自己犠牲により、多くの人々を飢饉から救ったグスコーブドリの伝記、
という存在感が印象的です。
原作はやや難解ですので、抄訳としてはいいと思います。
絵も幻想的で、宮沢賢治の幻想的な世界に寄り添っています。
でも内容は深いので、絵本ですが、小学校中学年以上からくらいでしょうか。 (レイラさん 40代・ママ 男の子18歳、男の子16歳)
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