言葉をそのはたらきごとに分けて、日本語、英語、ポルトガル語、スペイン語で紹介しているシリーズ第二巻。 ページをめくれば、そこはたちまち言葉遊びワールド。これは言葉の「辞典」ではなく「図鑑」、「覚える」ではなく「遊ぶ」本。 そしてこの本の作者は、五味太郎さん!
今回は「うごきのことば」と「かざることば」。 ここはおなじみ幼稚園か保育園。紙を「きる」、なにかを「つくる」子どもたち。先生たちはみんなが作った作品を「かざる」「はる」。その脇ではヒーロー気分で「たたかう」男子2人。積み木を「ならべる」子がいれば「ちらかす」子。 大好きな動物園では、草を「たべる」キリンや「ついばむ」鳥。動物にえさを「あたえる」のはいけません。あらあらゴリラったら、人の目も気にせずすっかり「くつろぐ」。 プール、キャンプ場、遊園地に公園、商店街。子どもたちがよく目にする生活のシーンには、300を超える動きを表す言葉が登場します。 人が行動したり何かと関わったりするときには、言葉同士も作用しあっているんだなぁ。
「かざることば」でのキーワードは「どんな?」 「どんないろ」?「あざやかないろ」「はでないろ」「かすかないろ」「おあつらえむきないろ」・・・色をこんな風に表現できると、おしゃべりも文章を書くこともグーンと楽しくなりそう。 「どんなおかあさん」?「やさしいおかあさん」「あわただしいおかあさん」「たのもしいおかあさん」。でも「やかましい」「みみざとい」「ずぶとい」なんて、言われたくないわ! 形、色、場所、天気におもちゃに、お医者さんからロボットまで。その人や物にぴったりの飾る言葉に出会えると、妙に納得したり思わずフッと笑ってしまったり。
温かいもの、優しいもの、美しいもの、嫌いなもの、怖いもの、悩ましいもの、イライラ鬱陶しいもの・・・世の中いろいろあるけれど。 一つ一つをさまざまな「うごきのことば」や「かざることば」で表現してみれば、私たちの生活がすごく色鮮やかで豊かなものに感じられます。 そんな言葉との出会いが楽しいのは、やっぱり五味さんが人や物をよく観察されていて、言葉の奥深い魅力をユーモアたっぷりに伝えてくれるからでしょう。 図鑑の最後を締めくくるのは「どんなあかちゃん」? そうだなぁ、あなたは生まれた時から・・・とっても「あいらしいあかちゃん」! 「a sweet baby(アスィートベイビ)」「um bebe adoravel(ウンべべーアドラーヴェル)」「um bebe precioso(ウンベベプレシオーソ)」!
(絵本ナビ編集部)
五味太郎「言葉図鑑」の4カ国語版
もののうごきをあらわす「うごきのことば」と物のかたちなどをあらわす「かざることば」をたくさんあつめて、4カ国語で紹介。絵も言葉も楽しめます。
たっくさんのうごきの言葉と飾る言葉を使ったイラストが並びます。年長の娘はその絵を眺めて楽しんでいました。ごちゃごちゃした絵がたくさん描かれていて、ストーリー性のある絵が楽しかったです。このシリーズをたくさん見てみたいと思いました。 (みっとーさん 30代・ママ 男の子7歳、女の子5歳)
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