スタートの丸い突起を手で触り、よーいスタート! 点線を手でたどりながら、ゴールに向けてひたすら進んでいきます。線が二手に分かれて選んだ線が途切れたら行き止まり。また戻ってゴールを目指します。ずーっと進んでいって…三角の突起にたどりついたら、ゴール!
一体何の説明をしているのかというと、点字の線を触って楽しむめいろ絵本『さわるめいろ』の遊び方です。 「見える人も見えない人も、一緒に絵本を楽しみたい!」 そんな強い思いから考えられた絵本「てんじつき さわるえほん」シリーズ。出版社の垣根を越えて、3つの出版社から3冊同時に発売されました。ぱっと見ると、カラフルな絵本の美しさはそのまま。でも、絵の部分を手で触ってみると凹凸を感じることができます。この驚きの方法を実現可能としたのは、透明樹脂インクによる盛り上げ印刷。目の見えない子にとって、ただのつるつるの紙だったものが、何回でも楽しめて、目の見える子と一緒に遊ぶこともできる絵本となったのです。出版社や作家、印刷会社や点訳家、関わっているたくさんの方たちの工夫の積み重ねが詰まっているシリーズです。
収録されている迷路は、全11種類。最初は単一の線をたどってゆく簡単な正方形。クリアできるごとに五角形、市松模様など、見た目にも模様がどんどん形も複雑になっていき難易度が増していくのがわかります。模様の上に配置されている点字の線が迷路の答えとなるのですが、ぱっと見にはわからないので、全盲の方だけでなく、弱視の方、目の見える方にとってもなかなか手ごわい迷路となっているのです。 試しに目をつぶって実際にチャレンジしてみると、今まで体験したことのない感覚に驚かされてしまいます!! 細い点をたどっていくのは少し緊張、そして意外に時間がかかるのです。でも、触っているうちに指先の感覚が冴えてきて、進むスピードを早めたり、行き止まりの判断が早くなってきたり。ゴールの三角模様に行き着いた時の嬉しさも新鮮です。これはすごく面白くて、新しいタイプの遊べる絵本です!
こんな風に遊びながら本に触る楽しみを知った子が、自然に点字を読み取ることに馴染んでいければいいですよね。「てんじつき さわるえほん」の存在の重要さを改めて感じずにはいられません。 購入しやすい価格に抑えられているのも嬉しいポイント。目の見える子も見えない子も。大人も子どもも。 ぜひ、一度体験してみるのをオススメします。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
てんじつきさわるえほん
点字の線をさわってたどり、迷路を楽しむ絵本です。収録される迷路は、全11種類。単一の線をたどってゆく簡単なものから始まり、順を追って難しいものにチャレンジしてゆきます。
第61 回産経児童出版文化賞 大賞 第23回 剣淵絵本の里大賞 アルパカ賞 第48回 造本装幀コンクール 審査員奨励賞 IBBY 障害児図書資料センター 2015年推薦図書 第4回 JBBY賞(IBBY障害児図書資料センターのバリアフリー図書) 受賞作品
兄ちゃんが国語の単元で、「点字」のことを習いました。
周りを見回してみると、さりげな〜く点字ってあるんですよね。
洗濯機やらの家電にも、シャンプーなどのボトルにも
「さわって」わかるものがいっぱい。次男と二人で、
色々探して喜んでいましたので…こんなん借りてみました。
点字付きの迷路。その名も「さわるめいろ」
迷路好きの我が子ですんで、並の迷路じゃ〜「簡単♪」て言います。
でもね、これは「さわるめいろ」。
目で見ていると、ただの模様というか。どこが迷路?って感じです。
しかし、しかし!ちょっと触ってみたらびっくり!
ただの線だと思ったところには、点字のポチポチがついてます。
そ〜っと辿って・・・ん?無くなった?じゃあ、戻らなきゃ!
兄ちゃん、がっつり食いついて、表紙を含む11の迷路を
一生懸命に挑戦していきます。
「いや〜、すごいわ。これ、見ない方がやりやすい」
見える人も、見えない人も、大人も子どもも。
そして寝る前に暗くした部屋でも、楽しめちゃいました。 (わにぼうさん 40代・ママ 男の子10歳、男の子6歳)
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