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
「吸血鬼のさいご」「鬼にされた王子」ほか、迫力のあるモンスターの話を通じて、勇気と想像力を伝える世界の民話と伝説。
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アラスカ、ロシア、ヨーロッパ各地、インド、中国に伝わる「怪物」が登場する民話を9話収録。吸血鬼や狼男など、日本でもよく知られた話もあり、怖ろしいだけではなくユーモアのある話、村人を救ういい話などもあり、いろんな民話が楽しめる。
1970-74年に編集・刊行された民話集の中から「怪物」が出てくる話を選び、2005年に発行。
世界各地の民話が、分かりやすい言葉と雰囲気のある絵で楽しめる豪華な本。いろんな地方の昔の人の生活の様子が伝わってきて、面白い。長年生き残って、語り継がれているお話なので、話の筋が非常に面白くできている。
特に印象に残ったのは、イングランドの「村人をすくった大牛」。
魔女の呪いのために旱魃で苦しむ農民たちの元に、巨大な牝牛が現れて、村人を救う話。怪物が出てくる他の話は、邪悪な怪物が人間を襲ったりする怖い話が多い中、ちょっと珍しい展開。
怪物、妖怪、鬼などの区別ははっきりわからないが、いろんなタイプがあった。元は人間だったもの、人間に成りすましているもの、大自然の「ぬし」のようなもの、悪さばかりするものなどなど。
あちこちにたくさん怪物が昔は居たが、今も居るような気がする。
いろんな恐ろしい現象や事故、事件などが起きると、そう思ってしまう。 (渡”邉恵’里’さん 40代・その他の方 )
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