私たちは、細くて長いものを「本」という助数詞で数えます。
ロープとか、ナイフとか、にんじんとか。いろいろ。
でも、細長くなくても「本」で数えているものがある。
柔道の技。電話。企画。サッカーのシュート。他にもたくさん。
「本」で数えるものにはどんなものがあるのか。
なぜ本で数えるのか、について調べた本です。
ああ、そういえば、こんなものも「本」で数えるんだな、ということやその由来がわかり面白く読めました。
でも、作品紹介やほかの方のレビューにある「大学の先生が徹底的に調べた」というニュアンスについては納得できません。
徹底的に調べた、というよりは、ちょっと知ってそうな人に聞いて、きっとこうなんだろう、と推測したことを書いている、という感じです。
全体的になんとなく、すっきりしないところが多いのです。
例えば、コップやバケツのように、片方の口があいているものは本ではなく、「個」で数える。ということが書いてあります。
でも、その前の行に、長いほうの長さが短いほうの3倍以上のときに「本」と数えるとあります。
そんな細長いバケツ見たことないです。バケツは細長くないから「個」だと思うし、コップも長いほうが3倍以上もあるものってあまりない。コップはそこまでは細長くないから「個」なんだと、私は思う。片方が穴が開いているからとかではなく。だって、ビンとかピッチャーとか、穴があいているけど本と数えている。
ほかにも、例えば、家具屋さんが、机やタンスなどすべての家具を「本」で数えているとあります。
本来和ダンスの数え方は竿です。「竿」と書かないと学校では×です。そういうものも、「本」と数えるもののなかに入れている。
家具屋さんが、もしタンスを「本」と数えるなら、それはいわゆる業界用語です。
業界用語や誤用も含めて、「本」と数えるもの、に入れてしまっている。
そこはきちんと分けて説明してほしかった。
辞書的にも正しい言い方。
業界用語として使われる言い方。
それから、誤用だけどみなが使っている言い方。
などに分けて説明してほしい。
私は家具屋さんで、タンスや机を「本」と数えているのを見たことがないです。だから本当なのかなという疑問も残る。
なので、取材先をきちんと巻末に入れてほしい。
科学系の絵本だと取材協力というのをきちんと巻末に載せていますよね。なぜそこを省略したのだろう。
数え方のところで、
「10本」を「じゅっぽん じっぽん」と書いてありました。
息子は学校で「じゅっぽん」と書いて×をもらいました。
この本は小学生が読む本です。
この場合、「じっぽん、じゅっぽんと読むこともある」というふうに書くのが適当かと思います。
そんな感じで、ほかにもいろいろ気になることがあるのです。
全体的に、納得いかず、すっきりしないのです。
あと、薄い黄色と薄い水色のデザイン。
見にくいです。
裸眼が0.08の息子は、本を読むときはいつもメガネはかけませんが、
この本を読むときはメガネをかけました。
大人向けの本なら、デザイン重視でもよいですが、
子ども向けの本です。配慮がほしいです。