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はじめてのクリスマス

はじめてのクリスマス(偕成社)

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まさ夢いちじく」 みんなの声

まさ夢いちじく 作・絵:クリス・ヴァン・オールズバーグ
訳:村上 春樹
出版社:河出書房新社
税込価格:\1,980
発行日:1994年
ISBN:9784309262314
評価スコア 4.75
評価ランキング 826
みんなの声 総数 23
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  • 大人には爽快、子どもには「怖っ」

    オールズバーグの端正な絵が、意地悪な歯医者ビボットを
    一層憎たらしく見せてくれます(笑)。

    診療費が支払えないからと、
    おばあさんが差し出した不思議ないちじく。
    食べると夢に見たことが正夢になるいいますが
    そんなことをビボットが信じるはずもありません。

    けれどもイチジクを口にした翌日に起きたことは、
    そのビボットをも納得させる、あり得ない出来事だったのです。

    それ以来、自分の夢を正夢にするためにとる
    ビボットの行動がまた彼らしい。

    周到に準備し、万全だったはずが
    飼い犬のマルセルによって…。

    「この意地悪な主人公はどうなるのだろう?」
    と読んでいた私には爽快な結末だったのですが、
    小学6年生のクラスで読み聞かせたところ、
    ある男の子が「怖っ!」とつぶやいたのでした。

    吠えることも許されず、急な階段も抱いてもらえない
    かわいそうなマルセルに共感しながら読まれることを
    おススメします。

    投稿日:2010/02/17

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    2
  • ラストが絶妙な不思議さ。

    セピア色の絵、歯医者のビボットさんの絶妙な表情、絵の構図、映画のような感覚で読みました。
    神経質なビボットさん。犬のマルセルを飼っていながら愛着がない。人に思いやりもあまりない。
    おばあさんの歯を抜いておきながら(治療だけど)、お金がないとわかると薬も渡さず追い出してしまう。
    個性的で憎まれ役に徹しているビボットさんですが、それだからこの絵本が面白い。
    おばあさんが治療代の代わりにとビボットさんに渡したのが、夢が正夢になるといういちじく。
    ビボットさんの夢は奇想天外(夢ってそういうものかもしれないけど)。
    なぜ、下着のままで散歩に出かけたのだろう。

    本当に夢がかなういちじくだとわかって、ビボットさんは大金持ちになる夢を見ようと自分に催眠術をかけようとします。
    本当に大金持ちになる夢を見られるようになるのだから面白い。
    そして、さあ食べるぞと思った時にマルセルが食べてしまう。
    すこし予測できたのですが、ラストが面白い。
    正夢になったのはマルセルの夢でしょうか。ビボットさんの夢でしょうか。

    何とも不思議で、説得力のある絵本。
    オールズバーグの絵本は、イリュージョンの世界のようで終わってもキツネにつままれたような作品が多いような気がするのですが、この「まさ夢いちじく」は納得です。

    投稿日:2009/12/27

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  • 不気味な感じが残ります

    • まことあつさん
    • 30代
    • ママ
    • 東京都
    • 男の子8歳、男の子5歳

    クリス・ヴァン・オールズバーグの絵本は
    『ハリス・バーディックの謎』や、
    『魔術師アブドゥル・ガサツィの庭園』にしろ
    不気味な感じが残ります。

    ちょうど実家からイチジクが送られてきたばかりで
    初めて食べた5歳児もおいしく食べた後だったので
    イチジクがどんなものかもわかった上で
    よりイメージしやすかったのではないでしょうか。

    それにしても、
    最後の展開には
    してやったりという満足感と
    これからどうなるんだろうという不気味な想像で
    ちょっと怖くなりました。

    投稿日:2020/09/01

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  • 驚きの結末

    • みいのさん
    • 60代
    • その他の方
    • 東京都

    最後に「それは夢でした」というお話や、全体的にふんわりした夢の中のお話は読んだことがありますが、このお話は驚きの結末でした。
    セピアカラーで、歯医者のビボット氏が神経質そうに描かれているおかげで、その世界観に入り込みやすかったです。
    ショートショート好きの大人にもおすすめだと思います。
    オールズバーグ、全作品読んでみたくなりました。

    投稿日:2020/01/17

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  • こわーい・・

    表紙からしてなんだかおどろおどろしいんです・・。
    全編通して絵に陰影が明確についていて
    光と影を感じます。
    それがなお一層、この物語の不可思議さを強調します。

    歯医者の主人公はとても強欲。
    歯痛に困ったおばあさんにもとても冷たい態度で接します。
    飼っている犬にさえ愛情を注いでいるとはとても言えず冷たい態度。
    (ここですでにフラグが立ってる感じなんですが・・(^-^;)

    ふしぎないちじくを手に入れてから、
    それが本物だと確信し、野望をいだくまでの展開は絵に描いたようにスムーズ。
    「こんな夢を見よう」と思い、実際にみられるように訓練する展開なんて、読みようによってはドリフです。

    最後の思わせぶりな主人公の上目遣い・・
    はたして・・。

    とてもドキドキするラストです。

    投稿日:2019/04/06

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  • 怖い・・・

    • じっこさん
    • 30代
    • ママ
    • 東京都
    • 女の子6歳、男の子2歳

    歯医者のマルセルが、おばあさんを治療してその代金として、不思議ないちじくをもらいます。そのいちじくは、見た夢を正夢にしてくれるのです。お金持ちになる夢を練習したマルセルは、それを正夢にしようと張り切りますが・・・。
    ラスト、なんとなく予想は出来ましたが、怖いです!彼が悲惨なめにあうのは自業自得だとも思うのですが、それにしても、ラストページにはぞくっとしました。絵の力も大きいと思います。

    投稿日:2017/09/22

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  •  漢字の問題から。
     「無花果」という漢字を読んで下さい。よくある問題ですから知っている人も多いでしょうが、答えは「いちじく」。
     夏から秋にかけて食卓にあがることの多い果物です。
     家にいちじくの木があると家が栄えないとか子どもができないとか、いちじくには迷信の類が結構ありますが、一方で不老長寿の果実と呼ばれることもあるそうです。
     おいしいのでやっかんだのかもしれません。
     そんないちじくを食べると夢が本当のことになってしまう。そんなお話がC.V.オールズバーグのこの絵本です。

     主人公は「おそろしくやかましや」である歯医者のビボットさん。
     少しばかり髪が薄くなっています。鼻の下には「エヘン」といわんばかりの八の字ひげ。蝶ネクタイもキザっぽい。
     ある日歯の治療をしたおばあさんが治療費の代わりに置いていったのがふたつのいちじく。
     怒るビボットさんにおばあさんはこういいます。
     「これはまさ夢いちじく。あなたの夢を何でも叶えてくれます」

     いちじくはふたつ。
     まずひとつめを食べたビポットさんは本当にそれが「まさ夢いちじく」だということに気づきます。
     そうなると、残ったいちじくを食べる時はうまい話が叶うようにしないとと欲が出ます。
     こういうところは日本の昔話にもよくあるパターンです。
     それからの何週間をビポットさんは自分が世界一の金持ちになる夢を見る特訓を始めます。
     夢をコントロールしようというのですから、人間は欲がでると何を考えることやら。
     宝くじがあたるように枕の下に忍ばせるのによく似ています。
     そんなビポットさんがようやく残りの一個のいちじくを食べることを決心しました。
     さて。

     この絵本でもC.V.オールズバーグの絵筆はさえわたっています。
     まず構図が大胆です。上からの目線、下からの目線、対象を大胆に大きく。
     それによって絵に動きがでています。
     それにビポットさんのいやらしいさがいいですね。この人なら、こういう結末になっても仕方がないと読者に思わせるくらい、いやらしく描かれています。
     もちろん、この作品も村上春樹さんの翻訳。

     あなたがもし「まさ夢いちじく」を手にしたら、ビポットさんにならない保証なんてありません。

    投稿日:2014/10/26

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  • 不気味さと小気味よさと痛快さ

    この絵本も高学年向けの読み聞かせリストの中で見つけました。

    とても不思議なタイトルと思って読み進めると、診療費が払えないおばあさんが置いていったのが正夢が本当になる「まさ夢いちじく」だったわけです。

    夢っていい夢の場合もありますが、悪夢という場合もありますよね。そう考えると、うっかりとは使えない、でも使ってみたいという願望が心をそそります。

    そのいちじくを手にした人が、欲深でいかにも性格が悪そうな歯医者という設定であるところがまた興味を引くのです。

    まるでショートフィルムを見ているようなお話で、ページを開くとつい引き込まれてしまうでしょう。

    不気味さと小気味よさと痛快さが共存する不思議なお話です。

    投稿日:2011/11/13

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  • 犬のマルセルが超絶可愛いです。

    • てんぐざるさん
    • 40代
    • ママ
    • 埼玉県
    • 女の子16歳、女の子11歳

    オールズバーグは毎回面白いテーマで作品を作りますね〜。
    いちじくって、日本のフルーツだと思い込んでいましたが、海外にもあるんですね〜。知らなかったです。
    ところで、オールズバーグの邦訳はほとんど全て、日本作家の巨匠《村上春樹》さんがやっています。
    発想が似ているのか、村上春樹さんだからこういう役になっているのか、村上春樹作品とオールズバーグの描く世界のにおいが似ている気がするのは私だけでしょうか?

    この作品の中で主人公のビボットは、めちゃくちゃ嫌味なタイプの人間でしたが、飼い犬(テリアだと思います)のマルセルは超・可愛かったです!!特に後ろ足で階段を下りているシーンのポーズったらなかったです。
    犬好きの方は必見!

    投稿日:2011/11/13

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  • あなたは食べますか?

    • こりえ♪さん
    • 30代
    • ママ
    • 神奈川県
    • 女の子2歳

    夢をかなえるいちじく。
    何とも魅力的なお話です。
    でも夢をかなえるって、思っていたのとちょっと違ったよう。
    希望の夢じゃなくて、そう、夜に見る夢。

    本当にこんないちじくがあったら、食べますか??
    私は正直、怖くて食べられません。
    でもこの絵本に出てくる強欲で、潔癖で、冷たい男は喜んでこれを食べようとします。
    自分の夢をコントロールできるように訓練してまでも。

    何となく男の思うようにはいかないだろうという予感はしていましたが、こんな展開で終わるとは想像つきませんでした。
    何だかウッシッシと笑いそうになりました。
    ・・・・性格悪いですか?
    やっぱりこのいちじくは私には食べられそうもありません。笑

    投稿日:2009/03/15

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