「アンデルセンの絵本 はだかの王さま」 みんなの声

お馴染みのアンデルセンの絵本「はだかの王さま」です。

いつも感じる「はだかの王さま」と、違って”こむらゆらさん”の描く

はだかの王さまが、お洒落なシースルーの下着のせいか、すらっ

とした体格のせいか、なぜだかばかどころか、知的に見えました。

王さまが、裸の王さまのまま、逃げないでますます胸を張って、

堂々と行列を裸のままでやり遂げたのは、立派だと思いました。

はだかの王さまは、誰もが知ってるお話ですが、今までに見た王さまとはかなり違う王さまです。
虚栄心はあるかも知れないけれど、理知的な感じの王さま。
アンダーウェアにもこだわりを見せる王さま。
裸を暴露させても、うろたえないプライドの高い王さま。
現代社会の逸話として、リメイクされた感があって新鮮な絵本でした。

定番のお話で、内容も知っているのに、何度読んでも胸がドキッとします。
大人たちの愚かさが、見ていて痛々しいですね・・・
そして、素直な子供に安心しました。

絵もとても綺麗で、お城の様子など豪華で楽しめました。

アンデルセン童話の中で一番好きな物語です。
洋服好きで知られる王様の魅力的なクローゼットの挿絵は
とても鮮やかで、物語を読まずとも惹きつけます。

どんな場合でも正直でいることの大切さ、
しかしながら大人の世界では正直でいられない時もある
ということを感じて欲しくて選びました。

どの“はだかの王様”よりも楽しさを感じられる絵本だと
思います。　　　

「身分にふさわしくない人や　愚かな人にはみえない」
というはたおり職人の織った布。
このはたおり職人達は　ペテン師ですから
誰にもこの布は見えっこないのですが…

自分のプライドが傷つくことと　
今の役職がふさわしくないと思われるのを恐れて
大人達はみんな「見える！」
そしてそれは「とっても素晴らしい！」
と言います。

何だか　今の時代にも 十分通用するようなユーモアを感じました。
お笑いブームの波に乗って育っているちびっ子たち。　
アンデルセンの　こんな　ちょっと上品なお笑いも
しっかり感じ取れる心得を持ち合わせていると思います（笑）

子どものころから、何度もこのお話とは出会いました。
そのたびに、この大人たちってなんてバカなんだろうと思いました。
特に王さまのまぬけ具合には、あきれてしまいました。
日本の一番偉い人は、大丈夫かななんて思ったりもしました（笑）

子どもが、正直にいうところが大好きでした。
自分が言ったかのように、胸がすかっとしました。

こみねさんの絵は、王さまが若すぎて、イメージと違う感じです。
でも、とても色使いもきれいで、王室の雰囲気が出ていると思います。