これぞ日本人の心と思うような
自己犠牲あふれる物語です。
降り続ける雪に覆いつくされ
生物がすべて息絶えるかと思うような厳冬を
ひばりが命懸けで雲を突き破り、太陽のかけらを持ち帰るというお話。
熱い太陽に突入しかけらを取った後は
地上に落ちたひばりは影も形もなくなるのですが
皆が待ちわびていた春がやってくる。
ひばりは後に英雄扱いされるわけでもなく消えていくけれど
残された者たちは幸せに暮らしている様子に
きっとひばりは満足しているという事が伝わるような
花咲き乱れる美しいラストページ。
あぁこれが日本人の心だと、胸が熱くなりました。
読み継がれてほしいと願う、珠玉の一冊です。