とってもアートな絵本です。
シンプルでカラフルで、デザインが研ぎ澄まされているので、
メッセージがストレートに突き刺さってきました。
いったい自慢話に明け暮れている動物たちは何をしていたのでしょう。
でも、わずかな水でけんめいに山火事を消そうとしている、小さなハチドリの行動を軽んじていた彼らを、たった一言が変えてくれたのです。
「僕は今、自分ができることをしているのさ」
なんと感動的で、素敵な言葉ではありませんか。
それは、自分ができることをしようとしない人間があまりにも多いことへの、痛烈な揶揄に違いありません。
動物たちは、自分の怠慢に気づいて、自らも行動し始めました。
ならば人間だってできるはずだと、暗に言われているような気がしました。
山火事は消えました。
ひょっとしたら、途中で降ってきた雨のおかげかも知れません、という言葉も素晴らしいと思いました。
自分たちの力で火が消えたのだという自慢話よりも、それぞれに今自分のできることを探すようになったという自己変革こそが、この絵本のメッセージなのですから。