小学生だったでしょうか、最初に読んだのは。
モモと時間泥棒との攻防のドキドキハラハラ、息もつかせぬストーリーの面白さに夢中になりました。
それから何度も読み返し、中学生くらいになると「時間とは?」「本当の豊かさとは?」
ここにこめられた哲学のような深い問いに気づき、また深く夢中になりました。
それからずーっと大人になり、本棚の片隅にモモは黙って居ました。
そして8歳の息子の誕生日の夜から一ヶ月以上かけて一緒に読みました。1章が長いので、喉を枯らしながら。
そしてこのスピード感を味わってもらうためには、自分で黙読させて
一気に夜更かししてもらったほうがいいのかな・・と迷いもありつつ。
読みながら、記憶に残っていた以上にエンデの描くイメージの豊かさ、
その描写力に驚きました。
立ち上ってくるイメージのなんて豊かなこと・・!!
息子には少々抽象的で難しかったであろうマイスター・ホラの話・・
時間の花が咲いていくところなんて本当に哲学的で宗教的ですらあります。
でも息子も面白くワクワクしながら楽しめました。
頭の中できっと灰色の男達やベッポやモモをたくさん描いたでしょう。
挿絵は少しあるものの、モモの顔は分からないし、ちゃんと描かれているのは亀のカシオペイアだけですものね。
最近何かで読んだことですが、エンデがこの物語にこめたのは
本当は「時間」ではなく「お金でまわる世の中への警鐘」とのこと。
そうなのかな・・。
最後のページを読み終わった晩、私自身が時間の花の夢を見ました。
幸せな、カラフルな夢でした。
モモに時間の花を貰ったのかもしれません。
ミヒャエル・エンデは天才だ・・!とあらためて強く思いました。