建築学科出身の青山邦彦さんは、その経歴からにじみ出る建物のとらえ方が魅力的です。
ということで、最近はお気に入りの作家です。
この作品は「おうちやさん」という発想が素敵ですが、
それに、クモの悲哀まで描かれていて、かなり奥が深いです。
クモおばさんが虫たちの要望どおりの家を作る「おうちやさん」を始めます。
ところが嫌われ者のクモですから、避けられてばかり。
でも、実績が功を奏して、おうちやさんは大人気になりますが・・・。
かなりおばさんキャラのクモおばさんだけに、インパクトがありますね。
でも、芸術的ともいえるおうちの出来は素晴らしいです。
ぜひじっくりと鑑賞してください。
そして、注目はクモおばさんの心情です。
これはクモの宿命ですから、切なかったです。
心情が暗転するところはドキドキしますが、素敵なラストに一安心です。
クモの糸でお別れのメッセージ、なんて『シャーロットのおくりもの』を彷彿させます。
クモのおうち作り、その発想に拍手したくなりました。