「車のいろは空のいろ」シリーズ3作目です。
ここでも松井さんの不思議で優しさあふれる作品が7話入っています。中でも「ねずみのまほう」と「たぬき先生はじょうずです」が気に入りました。
あまんさんの作品では、特に子どもの描写が可愛らしくて大好きです。読んでいると自然とこちらも笑顔になってくる不思議な魅力があります。
「しらないどうし」は戦争にまつわる切ないお話なのですが、あまんさんといったら「白いぼうし」と共に教科書に載っている「ちいちゃんのかげおくり」が忘れられません。あまんさんの平和を願う気持ちを感じることの出来る作品だと思います。
全3冊、もうこれを読み終えたら松井さんとのタクシーの旅が終わってしまう・・と思うと寂しくて、いつまでも読んでいたい気持ちになりました。
1作目、2作目共に、表紙・裏表紙はその本の中に出てくる作品の絵となっているのですが、この3作目の表紙は「白いぼうし」のたくさんのモンシロチョウ、裏表紙は「くましんし」の絵です。
ちょっと不思議な気もしましたが、シリーズの原点とも言える2作品が表紙となっているのは非常に感慨深いものがあります。
それはもしかしたら、3作目からまた1作目へ・・と導かれているのかもしれません。
小学生の頃に「白いぼうし」に出会い、長い年月を経てこのシリーズをすべて読み終えることができ、松井さんと共に時間を過ごせたことを幸せに思います。