「絵がとっても上手なんだよ。面白い絵とかじゃなくて、ちょっと難しい絵なんだけど、とってもきれいなの。」
娘が図書館で見つけた同画家の「はちみついろのうま」。とにかく美しい絵に惹かれたようで、「カレンダーの人(いわさきちひろ)の絵よりきれいなんだよ!」と、大絶賛。
(*子ども部屋に、いわさきちひろのカレンダーが飾ってあり、先日もいわさきちひろが描いた「にんぎょひめ」を読んだばかりだったので)
そして、ノートに、「ちゅうもんしてほしいほん。はちみついろのうま。かものむすめ。」と書いて持ってきました。残念ながら、「はちみついろのうま」のほうは、絶版になってしまっていましたが、代わりに、ヤクトーヴィチの他の作品として紹介されていた「かものむすめ」を購入しました。
なるほど、娘が「きれい!」と感動したのも肯けます。本当に繊細で、淡い彩の美しい絵です。
作者と同じスラブ圏出身の夫も、水汲みの道具や、紡ぎ車を見て、「これも祖母の家にあった。」と、懐かしんだり、「この帽子も子どもの頃に被っていた。羊の皮でできていて、とってもあったかいんだ。・・・靴も、よく似ている!」と、喜んでいました。
私は、異国情緒の香のする絵に、うっとり。民族衣装やテーブルクロスなども、とても素敵で見入ってしまいました。
ところが、娘は、「悲しいお話はいやだ」と言ったきり、涙をぽろぽろ流して、私の胸に顔を押し付けたままです。つい最近「にんぎょひめ」を読んだときも、同じことを言ったのですが、悲しみを想像する力が増し、様々な感情に対しても、より敏感に反応するようになったのかな、と感じます。再びふたりだけになってしまったおじいさんとおばあさんの気持ちを思うと、辛くてたまらなくなってしまったのでしょうね。
同時に、娘にとって、まだまだ絵本の世界は楽しい時間であり、夢の続きなのかもしれないな、とも思いました。いろいろな種類の絵本を読むことで、娘の心の中にも触れることができ、私にとっては、しあわせなことと実感しています。