作者、内田麟太郎さんの自伝と言われている絵本で、主人公の小さな熊の「ぼく」が、何だか麟太郎さんに似ています。
途中まで読んで、心がとってもとっても痛くなってしまいました。
読みながら自分自身が傷ついてしまうような。
絵本の中の「ぼく」を抱きしめて、一緒に泣きたいと思ったほど。
でもね、あるペ−ジでふっと力が抜け、穏やかに笑っている自分がいるんです。
そして、次のペ−ジからもう涙が止まりません。
何度読み返しても、そして絵本を閉じても。
親を亡くしたときの慟哭、そして、それが少しずつ癒えてきたときに気付く自分の中の大きな存在。
悲しみをこえた先にある「かあさんの こころ」を、麟太郎さんは絵本の最後に綴っています
「かあさんの こころは のはら。はるの のはら。 」
タンポポの咲くのはらの絵が、とても柔らかいです。
私の中の かあさんの こころは つき。しずかな つき。
いつも見守ってくれている。だから、夜になると祈りを捧げます。
悲しみをこえた先で流すかあさんへの涙は、
いつまでもかあさんの子どもであるということの証なのですよね。
かあさんのこころをしっかりと自分の心に抱きしめて、しっかりと生きていこうと思います。
人はいき急いで、自ら星になんてなってはいけないのですから。