薄い木の板に描かれたという、名画のような重厚感ある絵に魅かれて手にとりました。
古き良きアメリカの広大な大地に、
世界一大きな女の子・アンジェリカが現れると、
遠近法が狂ったような違和感もあり、ぐぐっと絵に見入ってしまいます。
巨大な黒熊「じごくのならずもの」との対決で、
竜巻を捻じりあげ、湖を飲み干し、くしゃみで20km吹き飛ばされるといった、ありえない展開も、
ちょっと怖いほどにリアルな絵の迫力で押し切ってしまう感じ。
意地悪そうに微笑み、もみくちゃになって戦うアンジェリカの表情は、
いわゆる「女の子らしさ」はないけれど、生き生きとして魅力的です。
予想以上に長いお話でしたが
息子は豪快な戦いに大喜びで、最後まで夢中で聞いていました。
その後も何度も読まされ、
周囲に小さく描き込まれた人物や動物達の遊び心ある絵を見つけては、「これ見て!」と指摘してきます。
シュールで少し残酷な昔話のような感じもあり、好き嫌いは分かれるかもしれませんが、
他の絵本にはない、この絵本ならではの迫力にはまってしまう
お子さん&大人の方は多いのではないかしら?
小学生位〜大人の方まで、ぜひ一度お試しください。