あるところに、桃が一個落ちていました。
その桃を巡って、トラネコ(名前はたま)とクロネコ(名前はブルース)が言い争いをしています。
最初は、どちらが最初に見つけたのか。
次は、自分の自慢。
そして次には、相手の悪口。
どちらも桃が食べたいから、お互いに譲りません。
とうとう、
「あっちのきまで、かけっこできょうそうしようよ!」
となりました。
「よーい、どん!」
たまとブルースは、互いに抜いたり抜かれたり。
そして、あと少しのところで……。
一つの桃を巡って起こったけんかは次第にエスカレートして、とんでもないことになりました。
もうここまできたら、桃のことはすっかり忘れているのでしょうね。
結末が何とも言えずさわやかで、素敵な風が吹いています。
絵本ではありますが、どの年代の人でも楽しく読めるのではないかと思います。