電車好きの息子が5歳になってから興味をもち、繰り返し読みました。
鉄道に精通している子どもでなければ、小学生以上が対象だと思います。
黒部渓谷の宇奈月温泉は、テレビの旅番組ではお馴染みですが、その宇奈月温泉を通るのが黒部峡谷鉄道です。
この鉄道は、線路の幅が狭く、屋根の低い、小さな小さなトロッコ列車です。
なぜこんなに小さいのか。
そもそもこの鉄道はダムを建設するための資材運搬列車として作られたものだったからです。
切り立った崖の連続する険しい山岳地帯へ資材を運搬するために、かろうじて作ることができるサイズだったのでしょう。
パワーショベルなどの機材も分解して列車に積み込み、現地で組み立てるなど、すべてがこの列車で運ばれたそうです。
黒部ダムを建設した人たちの苦労は計り知れないものだったことと思います。
絵本ではありますが、テレビの旅番組で見る、紅葉の美しさとか温泉の気持ちよさとか、そんなのがすべて吹っ飛んでしまう迫力です。
5歳の息子がこの本の何を喜び、何を得たのかはわかりませんが、この鉄道の歴史を知ることで、先人の苦労や努力を、ほんの少しでも理解してくれることと思います。
これからも繰り返し読みたい絵本です。