16場面。昔話の紙芝居らしい長さにまとまっていると思います。
絵はスズキコージさんなので、はっきりとした太い線で、紙芝居にはうってつけの迫力がありました。
表紙絵を見れば一目瞭然ですが、インディアンの昔話だそうです。
インディアンはもともと狩猟民族で、狩りをしながら高原や森林を移動して生活する民族なので、背景には背の高い針葉樹の森が描かれています。
この紙芝居、「こわいこわーいおはなし」という、シリーズから出ていたんです。
検索ワードで引っかかって、気になって読んでみたら…。こわいというより、悲しいお話しでした。
主人公のピアナは、2場面目ですでに穴に落ちてしまいます。
最初はくまの穴に落ちてしまったんだ。と思いましたが、
とんでもない。
穴に落ちたらくまになっちゃうって、いったいどうして⁉
もう、そこから先はずっとくまなんですよ、ピアナ。心は人のままなのに。
お父さんも可哀そうすぎますよね。敵と思っていたくまが、ピアナ自身だったなんて、普通想像もつきませんよ。
しかも何度もピアナを助けようとするのに,穴から出てくると全く違うもの(くま)がそこにいるんですよ。
自分が同じ立場だったらと、思うと、もう本当にそのやりきれない憤りをどこへもっていっていいやら……。
人の親としてはとても辛くて、悲しいお話しでした。
紙芝居の物語の展開としてはとても素晴らしいと思いますが、これを自分が子どもたちに読めるかと聞かれたら、わたしは辛すぎて難しそうだなと、思ってしまいました。