図書館の石井桃子さん追悼コーナーにありました。
大人が読んでも読み応えのあるお話で、息子には難しいと思いましたが、読んでみました。
一匹の女房ねずみ。
でも、他のねずみとは違っていました。食べて寝るということだけを考えている他のねずみたちとは違って、何か別の物をほしいと思っているからです。
ねずみでありながら、近代人的な発想を持っている女房ねずみが、囚われた鳩と出会ったことから、その何かが見つかっていきます。
読みながら、たかどのほうこのの「時計坂の家」で、憧れの代償として行方不明になった主人公の祖母とねずみ女房が重なりました。
人の気持ちの中には、常に新しい世界を知りたいという気持ちが内在しているのかもしれません。その気持ちを、ねずみ女房が明らかにしてくれているように思いました。
自分の中にも、まだ開けられてない扉はいくつかあって、それを求めれば開けられるのではという気持ちになりました。
大人が読んでもおもしろいと思います。