本編は5巻をもって完結となりましたが、この第6巻は、ツムジのじいさまが語ってくれたコロボックルの昔話をまとめた内容になっています。
全部で九つのお話がありますが、中でも面白かったのが、「長者さまの姉むすめ」と「ふたりの名人」です。
「長者さまの姉むすめ」は、息子もお話の最後に「あれっ、この話もしかして・・・?」と気付いたようでした。
人間の世界で語られているお伽噺が、こんな風に形を変えて、しかも面白い話に出来上がっていることに、一種の感動すら覚えました。
「ふたりの名人」は、世に言う名工「左甚五郎」が登場します。
ジンゴと、ヒコノタクミという二人の名人が繰り広げる、興味深いお話です。
最後に、作者のあとがきとして、5巻のその後も描かれています。
クリノヒコ風の子や、ミツバチボウヤ、タケルやエク坊等のその後についても書かれてあって、シリーズを通して読んできた読者にとって、満足のいく内容でした。
第1巻から第6巻まで、コロボックルたちや、せいたかさん一家を始めとする人たちと、素敵な時間が過ごせたことを幸せに思います。