「はだかの王さま」など、7つのお話で構成されています。どれもポピュラーなお話ばかりですが、赤坂三好、長新太、スズキコージなど、一流画家による絵がずらり勢ぞろい。とても新鮮な気持ちで、物語に触れることができます。たとえば、 「三びきのやぎのがらがらどん」と言えば、マーシャ・ブラウンの絵を思い浮かべますが、長さんの絵もこれまたユニーク。一目で好きになりました!
スズキさんの「はらぺこねこ」も大迫力でしたよ! 娘は、お話の最後に、破けた猫のおなかから、食べられた人間や動物たち、それに月や太陽も、ぞろぞろと這い出してきた絵にびっくり。その前にも、「太陽は食べちゃったら熱いよ〜!」と、驚いていましたが、無事に出てきてよかった!
宇野亜喜良さんの「シンデレラ」には、私も娘も、最初こそぎょっ(!)としてしまいましたが(半開きの目で首をかしげ、シンデレラの表情を真似る娘の顔がまた可笑しくて・・・)、読み進めていくうちに、この独特な「陰のあるシンデレラ」の容貌も気にならないくらい(?)お話に引き込まれていきました。
他の「シンデレラ」のほとんどが、外見やプリンセスストーリーに重点を置いているのに比べ、このお話では、シンデレラの内面の美しさも大切に描かれています。今まで散々シンデレラにいじわるをし続けたお姉さんたちにさえ、シンデレラは心をかけてあげるのです。
「そのやさしいやり方を見て、王子さまは、シンデレラのことが、ますます好きになりました。」の一文で終わっている物語。娘も、「シンデレラがやさしくしてあげたから、いいことが返ってきたんだよね」と、納得していました。
「北風と太陽」や「つるのしかえし」など、イソップ童話の短いお話の数々も娘のお気に入り。
全体を通しての1番のお気に入りは、「はだかの王さま」でしょうか。はだかで歩く王様を見て、我が家のお転婆娘、突如としてパジャマを脱ぎ捨て(!)パンツ一枚で、ふんぞり返って部屋の中を行進する姿には、唖然! そして、さらに、「王様がお尻も丸出しでパレードすれば、もっとおもしろい!」なんて言っていました。娘が、ティーンエイジャーになる頃に、話してやろうと思っています!
感想や反応を書き留めておく楽しさも、こんなところにあるのかなぁ?と思いながら、1冊で何倍も楽しませてもらいました!