小4の長女が お友達から借りてきた本です。
最後まで読むまでもなく、
このお話がノンフィクションだと気付きました。
最後に お母さんから亡くなった娘さんへの
温かく切ないメッセージが書かれていて
涙なくしては読めません。
長女も、今こうして生きていられるのは当たり前ではなく
本当に有り難く尊いことなんだと感じたようです。
作者の むたぐちさんは 2001年5月に
双子の長女を小4(9歳)で亡くされました。
インフルエンザをこじらせて
インフルエンザ脳症になってしまったそうです。
小4だなんて、我が家の長女と同い年。
子を持つ親として他人事とは思えません。
様々な種類のゲームが溢れている現代、
【リセット】すれば人間も動物も生き返ったり
ケガや病気になっても
元通りに戻ると信じている子がいると聞きます。
なんたる現実感の喪失!
学校の命の教育で読まれているそうですが、
これだけメッセージ性の強い素晴らしい作品が
皆さんに知られていないのは本当にもったいない!
大切なご家族・ご友人を亡くされて
心に傷のある方にとっては共感を呼ぶでしょうし
そういう経験のない方や お子さんにとっては
命の尊さについて改めて考える機会となるでしょう。
むたぐちさんは美大卒だそうで、
キャンバスに色鉛筆でぼかして描いたタッチが
優しく、いい味わいを出していて印象的です。
愛ちゃんが亡くなる少し前に、お母さんと
双子の妹のんちゃんに、こう言ったそうです。
『お母さんより先に子どもが死んだ時、
お母さんが泣くと天使の羽根が濡れて
飛べなくなっちゃうんだって。』
愛ちゃんは自分の最期を感じていたのでしょうか。
末筆ですが、愛ちゃんのご冥福をお祈りします。