じいじが薦めてくれた本。
娘が生まれてから今日まで、何千冊という絵本を読みましたが、こんなにも涙したのは初めてです。読み終えてから、わあっと込み上げる思いに涙があふれるというのは、他の絵本でも何度もありましたが、一行一行、涙で声が詰まって読めないという絵本には、めぐり合ったことがなかったように思います。
この絵本の背景にある作者の「命」と、うさぎのユックが重なるからかもしれません。特に、誕生のシーンでは、絵門さんの生涯と、病気と闘いながら懸命に生きる母の姿、そして、自分自身の出産と、今目の前にいる我が子の命、すべてが重なって、不思議な光に包まれているような感じさえしました。命って、本当にこんなにも輝いているんだ、と実感します。
非常に長いお話で、読むのに1時間くらいかかったのですが、1度も絵本から目を離すことなく、読み終えたあとにも、何かとてつもなく大きなエネルギーが、娘の心に注ぎ込まれたかのように、何とも言えない表情でユックを見つめていました。
そして、また最初に戻って、ゆっくりとページをめくりながら、様々な質問をし、いろんな意見を聞かせてくれました。
お母さんのおなかの中にいた頃、天使の羽がついていたユックたちを見て、「Jも生まれる前は、羽がついてた?」と聞いたり、体が大きなオットーの下で押しつぶされそうになりなっていたユックの絵には、「Jは、1人だけだったから、スペースがいっぱいあって、苦しくなかったよね。」と言ったり・・・。
「どうしてユックは、生まれたときから心臓が弱かったの?」という問いに対しては、「さっちゃんのまほうのて」の中で読んだことを、もう1度話し、障害についてもいっしょに考えました。
それから、娘が生まれたときのこともたくさん話してあげました。「みんなこうやって命がけで生まれてきたんだね。ママも大変だったけど、Jもそれ以上に、本当によくがんばってくれたんだよ。」
そして、迎えた春、初めての誕生日・・・お母さんうさぎのおなかの中で「何がなんでも生まれるんだ」と、力をあわせてがんばった誕生の日。生まれることを信じたから、今がある。
「毎日生きていられることそのものが奇跡なのだ。一日一日が『いのちの記念日』なのだ」という言葉を、自分の一日一日に重ねられる生き方をしたいな、と心から思いました。