5歳の長男に読みました。
私はこの本を読むまで、恥ずかしながらあめふらしのことも、童話のことも知りませんでした。グリム童話の中でも日本ではあまり紹介されてこなかったのでしょうね。
とても賢い王女の結婚相手を探す話ですが、難題に応えた者が選ばれるというこのようなモチーフは、ほかの地方の昔話でもよく見かける気がします。この話では、王女の見えないところに隠れるという課題に、99人が失敗してさらし首になりますが、100人目の若者は以前恩を売っておいた3種類の動物の助けを借り、最後にあめふらしに化けて成功し、王女と結婚することができます。
最後の場面の、若者はどうやって切り抜けたのかを決して王女に明かさず、そのために王女は「この人は私より賢い」と信じて敬ったというのが教訓なんでしょうか。若者が賢かったのは、隠れ方ではなく(キツネに助けてもらっただけ)、むしろその秘密を王女に明かさなかったことなのですから。
それにしても何とも不気味な絵です。でも、話の何とも言えない恐怖感、若者の焦燥感をうまく表しているようにも思います。
長男はやはり「さらし首」に反応していました。「そこまですることないのに・・・」と思ったみたいです。その怖さが話を印象深くしているのだと思うのですが、ね。