アンソニー・ブラウンさんの描く動物はあまりにリアルで
ちょっと苦手な絵だったのですが、
サッカーが好きな息子にいいかも?と手にとりました。
サッカーが好きで、懸命に練習するチンパンジーのウィリー。
でも、専用の靴が買えず、試合に出たことはありません。
また、道路の継ぎ目は踏まない等のルールを決め、その通りに暮らしています。
ある日、時代遅れのジャージを着た不思議な少年に、古い靴をプレゼントされます。
その靴を履くとサッカーが上手くなり、試合の出場が決まりますが、
試合当日、魔法の靴を忘れてしまいました。
さぁ、どうする?!
読んでいくうちに、リアルなだけでない、細やかに描きこまれた絵が、
物語に絶妙に絡んでくることに気づきました。
不思議な少年は白くぼうっとしていて、影がないこと、
飾られている写真で、物語に直接登場しないパパの顔が分かること、
寝坊して駆け出すウィリーが、道路の継ぎ目を踏んでいること、
試合の帰り道、ウィリーが悠々と道路の継ぎ目を踏んで歩いていて、
空の月は誰かの顔そっくりな模様で微笑んでいること・・・
嬉しくて、つい「これ見て!」と指差してしまいました!
自分に自信を持てなかったウィリーが、
魔法の靴にきっかけを得て、積極的になり、
サッカーも周りの人(ゴリラ)との関係も変わっていくストーリーは爽やかで、
しみじみしたラストも良かったです。
きっかけだけ与えて、あとは子どもを信じて見守る、
私もそんな親になりたいなぁ。
サッカー好きの息子も気に入って、
読み聞かせの後、もう一度一人読みしていました。
サッカーを好きな子はもちろん
そのお父さん、お母さんにもおすすめの絵本です。