息子が小学校5年の時、第五福竜丸展示館で目にした絵本です。
その時は、展示資料のものすごさ、周りに置かれた絵本や書籍類の表紙の生々しさの中でちょっと異質に思えていた物語でしたが、改めて手に取ってみるとひしひしと水爆の怖ろしさが染み込んできました。
実際に第五福竜丸に乗っていた人の話ではありません。
しかし、水爆は環境破壊であり、地球に大きな被害をもたらしたのです。
空から降ってきた白いものは、放射能におかされたサンゴのかけらだったと記憶しています。
海の中に生きるものも被害者だったのです。
いぬいさんはトビウオの親子に、その悲惨さを語らせました。
お父さんは水爆の直接の被害者になりました。
トビウオの坊やは放射能の二次被害者となりました。
お母さんは子どもを思いやりますが、解決策は見つかりません。
優しいようで、とても怖いお話です。
事前の説明と解説が必要かと思います。
息子は「この本、第五福竜丸の展示館にあったね」と思い出してくれました。
実際に展示館に足を運んだことも無駄ではなかったようです。
1954年3月1日が第五福竜丸の運命の日でした。
あれから67年、大人にも広島原爆よりも遠い昔のお話になってしまったのでしょうか。