1996年に今は亡きロビン・ウィリアムズ主演で封切られた映画「ジュマンジ」はてっきり映画オリジナルの作品だとばかり思い込んでいました。この絵本を読むまでは。
映画にも原作と表示されていたそうですが、これは『急行「北極号」』などの作品で知られるクリス・ヴァン・オールズバーグの絵本が原作です。
原作は1982年に刊行され、日本では1984年に辺見まさなおさん訳で一度出版されています。
それから30年以上経って、2019年12月に出たのが村上春樹さん訳のこの絵本。
村上さんの訳ということで、この作品も多くの読者に読まれることでしょう。
もしかしたら、その多くは映画「ジュマンジ」を観ているかもしれません。何しろ続編まで作られて、人気シリーズになっていますから。
でも、これはあくまでも原作ですが、映画とはかなり違います。
「ジャマンジ」というのは謎のボードゲームのこと。
ある日、ジュディーとピーターの姉弟が公園の片隅でこのゲーム盤を見つけます。
一見何の変哲もないボードゲームですが、そこに付いていた「解説書」には「ゲームが始まったらゴールするまで終われない」と書かれています。
このあとこの二人がどんな恐ろしいめに会うかは絵本を読んでもらうとして、この絵本の本当の怖さは最後に出てきます。
二人が怖くて捨てたこのゲーム盤を「解説書」なんか読むことのない別の兄弟が拾ってしまうのです。
その先は読者の想像次第。
きっとこの絵本は様々な新製品が出たら、まず「解説書」をよく読むようにという教訓が書かれているのだと思います。